エジプトの世界遺産といえば、ピラミッドや神殿など古代遺跡が真っ先に浮かびますが、じつはカイロのイスラム建築群も、立派な世界遺産。一口にイスラム建築といっても、寺院や宮殿、大学などの教育機関や城塞までさまざまであり、その数は600にのぼるとされていて、1300年の歴史があるイスラム地区全体が、世界遺産に登録されています。
なかでも、エジプト人が一番敬虔なイスラム教徒、と言われるだけあって寺院の数は相当なもの。丸いドームと、ミナレット(塔)があるのがイスラム建築の特徴ですが、特にミナレットは、いろいろな装飾がされて一つ一つ違うのが、見ていて楽しい。高いところから町並みを見下ろすと、たくさんのミナレットがそびえています。カイロが”1000のミナレットの街”と呼ばれるのも頷けます。カイロでは、まずムハマド・アリ・モスクに足を運びました。ここはオスマン朝のムハマド・アリがイスタンブールのモスクを真似て作ったそうです。外観のピカピカ光るドームと、絵鉛筆型の2本のミナレットも綺麗ですが、内装も大変豪華でした。寺院に行った日は金曜日だったので、イスラム教徒が家族総出で礼拝に行く曜日だそうです。というわけで、我々もその礼拝が終わるのを待ってから寺院に行きました。寺院の中に入るには、靴を脱がなくてはいけません。回廊も素敵でしたが、内部のステンドガラスやシャンデリア、たくさんのランプなど、ちょっとお寺とは信じがたいほど華々しい雰囲気でした。お昼のお祈りを逃したガイドさんが熱心に礼拝する間、内部の自由見学をしていたら、遠足で来たらしい人懐っこい子供たちに囲まれてしまいました。エジプトではあの、”おしん”がテレビ放映されて大変な高視聴率をとったらしく、ものすごく日本人好きな人が多いのだとか。
外に出ると、カイロにお町並みが一望でき、やはりたくさんのミナレットが見えました。
イスラム教のことは、神をアッラーと呼び、コーランという教本があって、メッカの方向にお祈りする、とか豚を食べない、お酒を飲まない、程度のことしか知りませんでした。本人もイスラム教徒のガイドさん曰く、イスラム教徒になるのはそれほど難しいことではなく、5つの戒律を守ればいいのだとか。
1.アッラーを神として信仰するという告白。アッラーというのは神の名前ではなく、日本人のが神様という呼び名の感覚に近いのでしょうか。
2.一日5回の礼拝 3.寄付。それぞれの所得や財産に応じて寺院に寄付することは義務だそう。お金にかかわらず、農作物や品物でもよいそうで、それを貧しい人々に施すのだそうです。
4.断食。一年に一度、ラマダンの間は日が昇っている間は飲まず食わずで過ごすそう。
5.メッカへの巡礼。これはお金と時間に余裕のある人にしかできないことですが、メッカに巡礼するとそれまでの悪行がチャラになる(ちょっと簡単に言いすぎですが)とされているので、一生に一度の巡礼はイスラム教徒の憧れらしいです。
さて、寺院の後は”ハーン・ハリーリ”でお買い物。今は観光名所となっている大バザール、細い小道が入り組んでいて迷子になりそうなくらい。時間制限があったので、あまりゆっくり散策できませんでしたが、香水瓶やデイツのお菓子、Tシャツを買い込みました。基本的に、貧しいものに裕福な者が施しをするのが当然、というイスラムの精神があるので、ぼったくり価格が普通です。まぁ、海を越えて遊びにやってこれるような日本人は彼らにとっては富裕層。地元価格と観光客相手の値段が違うのも当たり前なのでしょう。 値切り交渉も楽しみの一つ、と割り切ればそれも楽しいもんですよ。
そして、残念ながら今日はエジプト最後の夜。少しおめかしして、ナイル川クルーズへ。ディナーをしながら、ベリーダンスとタンヌーラを鑑賞。 ベリーダンスより、ただひたすら回り続けるタンヌーラの方が好みでした。
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