木曜日, 10月 01, 2009

アスワン

世界遺産の宝庫、ルクソールを後ろ髪引かれる思いで後にして、今朝は空路でアスワンに向かいました。 陸路で行くと、安全確保のために治安上、警護つきのコンボイで移動しなければならないらしく、飛行機の方が楽ち~ん。と思ってましたが、そこはエジプト。やっぱり、定刻どおりに飛ばないので、ちょっとドギマギさせられます。
アスワンは、アブシンベルに向かう途中の乗り継ぎ地。乗り継ぎ時間の合間に、有名なアスワンはいダムを見るために立ち寄りました。もともとアスワンには、ナイル川の氾濫防止と灌漑用水の確保ために1901年にアスワンダム(今はアスワン・ロウダムと呼ばれていて、アスワンダムといえばハイダムを指す)が建設されたのですが、労力不足で新ダムとして建設されました。建設途中で、エジプト革命が起きたためイギリス主導の資本援助がなくなり、当時のソビエトに協力を依頼するなど、紆余曲折の上に1970年に完成しました。上の写真は、完成当時に建てられた記念塔です。
ダムの建設のおかげで、毎年夏に氾濫していたナイル川による洪水の被害がなくなり、水力発電により充分な電力を供給されるようになったそうです。しかも、ダムにより出現した人工湖のナセル湖から供給される水は、不足がちの農業用水を安定させ、広大な地域が耕作可能となったうえに、砂漠のの緑化も行われました。また、湖では富栄養化により漁業も活発になりました。
その一方でいいことばかりではなく、ナイル川の生態バランスを破壊しているとの指摘や、ナイル川下流域では、土壌痩せや塩害が深刻となっているらしいです。また、ナセル湖が出来るにあたって、多くの遺跡が水没してしまう危機にも陥りました。実際に、水底に沈んだ遺跡もあります、国際社会からの反対の声がにより、ユネスコの援助で巨額の費用をかけて湖畔に移築されたのが、かの有名なアブシンベル神殿です。
というわけで、午後はまた飛行機に乗り込んでアブシンベルへ出発。ガイドさんのおかげで、機内から神殿の空撮にも成功!↑

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