先々週くらいから、花粉症で外に出るのが憂鬱~、って気分で、先週末も無駄に過ごしてしまった後悔の念を払拭するため。 せっかくの祝日、やはりお出かけせねば、と半ば強迫観念に駆られて家を出ました・・・。
ちょっと気になっていた、エミリー・ウングワレーというアボリジニーアーティストの絵画を見に行ってきました。もともとはアウェリェと呼ばれる、アボリジニーの女性の儀式で行われるボディ・ペインティングが、彼女の芸術の始まり。その後、バティック(ろうけつ染め)などにもするようになり、実際にキャンバスに絵画として書き始めたのは、彼女が70歳台後半の頃。そして亡くなるまでの、8年余りの間に3000-4000の作品を完成させた、というのには驚きです。さらに面白いのは、彼女はキャンバスを立てずに、床に置いた状態で描くので、出来上がった作品に天地の区別がなく、彼女自身もどう展示するかは展示する側に全面的に任せていた、という点。だから、展示会場や図録によって、同じ作品でも違う方向で見せられていたりするようです。
彼女の作品は、点描や太細の線、あるいはその組み合わせによって構成されています。明るい色彩や、色鮮やかな作品もありますが、全体の印象としてはどこか土臭い、大地の色と表現するのがぴったりな作品が多いと感じました。題名が付けられていない作品も多く、付いていてもあまりに抽象的で私の想像の範疇を超えているかも・・・、というのが見終わった感想。でも、入場前のロビーでエミリーの作品について短くまとめたビデオを放映していて、それを見ると、やはりすべては彼女の故郷である”アルハルクラ”という地の自然に根ざしたものなのだと理解できました。
考えさせられる芸術、というのは苦手です。自分には芸術的な観念がなく、単純に美しいとか綺麗とか、この作品が好きという主観で楽しめるものしか受け付けないので、そういう点では”すごくよかったです”とは書きにくいなぁ。でも、彼女の作品を見ていると、ちょっと暖かい気持ちになるような気がしました。結局は、オーストラリアに行って彼女の描いた景色を見てみたい、で終わるのですが。
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