行くまでは、名前も知らなかったのに、意外にも気に入ってしまった所。それが、”バンテアイ・サムレ”でした。サムレ族の砦、という意味のこの遺跡、森というかジャングルの中にあるのがまた神秘的な感じ。 ちょうど雲が晴れて、青空が顔を出し始めたタイミングだったのも良かったのかもしれません。緻密な彫刻が彫られ、建物の外観も一見すると、ヨーロッパチックで、今までの遺跡とはちょっと違った印象です。
写真からも、その雰囲気が伝わるでしょうか?
今は乾季なので、干上がっていますが、雨季に来ると回廊になっているテラスのところまで水が張って、水上に浮かんでいるような姿になり、またその姿も美しいそうです。
どの角度から写真を撮っても風情があって、ついついたくさんシャッターを押してしまいました。ブーゲンビリアが咲いている風景なんかも、とっても素敵で絵になっているでしょ?
つい先ほど見た、バンテアイ・スレイの遺跡がバラ色っぽかったせいなのか、こちらの遺跡は対照的に、緑がかったというか青銅色のような色調に感じられました。その感じと、
観光客が少なく人気が無い静けさとで、本当に悠久の美という言葉がぴったり。
恐るべし、アンコール遺跡群。
やっぱり、もう一度雨季の時に来てみたいなぁ、と思ってしまいました。
一度着たら十分と思う観光客の方が多いのかもしれないですけどね・・・。
ツアーには、現地住民のお宅訪問というプランも含まれていて、遺跡からの帰り道。少し見栄えの良い民家にお邪魔しました。
ここの家には、日本人ボランティアが掘った井戸があり、高床式の家もまだ新しそう。多分、平均よりはまだ裕福な家庭なのでしょう。
近所の子供たちも集まって来て、なんだか賑やかなことになりました。ちょっとビクビクしながら、はしごを上って家の中まで拝見してきました。台風も地震も無い国だから、このつくりで大丈夫らしいですが、なんだか頼り無い感じ。
子供たちは、最初は遠巻きに見ていたものの、キャンディなんかをあげると無邪気に寄って来て、写真も撮らせてくれました。キャンディをあげたりする事が、本当に彼らのためになるのかは???ですが、喜ぶ彼らの笑顔はかわいいです。
アフリカでも聞いた、”観光旅行で訪れることが、先進国に住む一般人に出来る、一番の経済支援なんだ”という言葉を思い出しました。観光客が現地にお金を落とし、また現地の人は自分たちとは違う豊かな生活があることを知り、それがもっといい生活がしたいという向上心に繋がるのでしょうか・・・。この子達が、キャンディが食べたい一心で、学校に行って勉強して、偉くなろうと思ってくれれば、少しは貢献したことになるのかな・・・。