日曜日, 12月 27, 2009

琉球王国

今年最後の旅行、行先は沖縄本島。寒い冬はやはり暖かいところへ行きたくなりますよね。世界遺産のない近場の海外より、世界遺産のある遠くの国内旅行へ、といったところでしょうか。
関西から飛行機で約2時間、辿り着いた那覇空港は20度ほどと、やはり温暖です。今回は本当のみの周遊で、行きたい場所は公共交通機関では不便なところに散在しているので、レンタカープランにしました。まずは、沖縄家庭料理の昼食でお腹を満たします。ゆし豆腐やジーマーミー(ピーナッツ)豆腐、フーイリチー(麩の炒め物)、スヌイ(もずく)の酢の物、ウムクジアンダギー(紫イモと芋葛を揚げたお餅のようなもの)、ニガナの白和えやシブイ(冬瓜)の漬物などなどを少しづつ頂きました。ご飯は黒米が混ざっていて、みそ汁は白みそでしたよ。
お腹がいっぱいになったところで、首里城公園に向かいました。言わずと知れた、琉球王朝の王城で沖縄県内最大規模の城(グスク)があったところです。沖縄戦と戦後の琉球大学建設でそのほとんどは失われてしまったそうですが、1980年代から再建が始まっています。現在復元された建物や城壁は世界遺産ではないですが、正殿の下に見られるような首里城跡が、『琉球王国のグスク及び関連遺産群』として登録されています。
一番有名なのは、すっかり見かけなくなりましたが、2千円札の絵柄にもなった“守礼の門(上の写真)”でしょうか。今日も、観光客の団体写真スポットとして人だかりが出来ていました。
料金を払えば、門をくぐって御庭から復元された建物内に入れます。ちょうど正殿は、漆の塗り替えの工事中でした。正殿内からその修復の様子も見られるようにしてありましたが、やはり日曜日は作業はお休みでした。正殿の外も中も、朱色がたくさん使われていて、日本式とは異なり、中国の影響を強く受けている様子が窺えました。正殿内では、玉座も復元されていましたが、金ぴかでとても豪華でしたよ。
公園内では、無料で観覧できる琉球踊りも披露されていました。三線の調べと、カラフルな琉球衣装が印象的でした。
守礼の門を出て、脇道に入ったところに石でできた門があります。知らなければ目もくれずに通り過ぎてしまいそうなのですが、こちらも立派な世界遺産。名前を、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)というのですが、何度読んでも覚えられません。きっと正しく読める人はいないでしょう。石門の背後に園比屋武御嶽と呼ばれる森があって、代々の国王が各地を巡航する旅に出る際必ず拝礼した場所だったそうです。園比屋武御嶽石門はこの御嶽の礼拝所として建てられたそうです。
そもそも、御嶽(うたき)というのは、琉球独特の宗教的な信仰における聖域のことです。琉球の神話の神が存在、あるいは来訪する場所であり、また祖先神を祀る場とされています。地域の祭祀においては中心となる施設であり、地域を守護する聖域として現在も多くの人々が信仰しています。沖縄本島や離島に集落ごとや町ごとに存在し、その全部は把握しきれないほどあるそうです。どの聖域も、琉球王国時代は男子禁制の場だったそうな。実際、首里城敷地内内にも御嶽と名前の付いた拝所がいくつかありました。
さて、琉球王国関連の遺産として、首里城にほど近いところに“玉陵(たまうどぅん)”というところがあります。ここは、いわば琉球版の王家の谷といったところでしょうか。歴代の琉球国王や妻、その子供たちの遺骨が納められたお墓になっています。
個人的には、歴史的な背景よりも、ただひたすら”たまうどぅん”という音の響きがつぼにはまってしまったのですが。
首里城に近いのに、あちらの喧騒が嘘のように静かなところでした。曇り空なので、写真ではとても重々しく見えますが、やはり御墓ということで厳かな気分になります。というか、ちょっと不気味で、暗いときには足を運べる雰囲気じゃないです。
写真では小さくて見にくいですが、左右の円筒状の屋根の部分に雄雌の獅子がいます。立ち姿の獅子、沖縄なのにシーサーじゃないのね・・・。
少し重々しい気分になったので、次は明るい所に行きたいなぁ。と思ったのですが、お天気がイマイチです。結局、距離的に近くにある“識名園(しきなえん)”に行くことにしました。
識名園は琉球国王の別荘というか、中国からの使者などの客人を迎えた迎賓館として使われていた場所で、今も整備された庭園が美しい場所です。
雨こそ降らなかったのですが、やはりお天気が良かったらなぁ、と思わずにはいられない風景です。復元された御殿の中にも入れますが、一見昔風の沖縄のお家、という感じ。でも、高台にあるにもかかわらず海が見えないようになっており、これは中国から来た使者に「琉球は大きな国だ」と意識させるための工夫だとか、細かいところにこだわりがあるようです。識名園も世界遺産の一部に登録されています。
初日にしていろんなところに回りましたが、まだまだこれでは終われません。暗くなる前にもう一か所!

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