土曜日, 5月 03, 2008

高野山

連休初日の本日、実にいい天候に恵まれました。今回の世界遺産めぐりはちょっと遠出して、和歌山県の高野山へ。 高野山はおよそ1200年前に、弘法大師空海によって開かれた、真言密教の修行道場であり、全国に広がる高野山真言宗の総本山です。現在でも、多くの僧侶が修行をしている聖地であり、全国各地から参拝者も多く訪れる観光地でもあります。
もともと、高野山という名の山があるわけではなく、地域を指す名称で、1000m前後の8つの峰々に囲まれているその地形は『蓮の花が開いたような』と形容されており、仏教の聖地としては大変よい場所であるとされているそうな。山内には、100を超える寺院もあり、的を絞って廻らないとえらいことになります・・・。やはり、この日は観光客でいっぱいで、高野山に向かう電車も、山内のバスも満員状態。参拝の経路は無視して、いきなり奥の院に向かうことにしました。
奥の院は、弘法大師御廟のあるところで、御廟橋という小さな橋の向こうからは、一切写真撮影も録音も禁止という、徹底した聖地ぶり。写真↑はその、御廟橋の向こう側から撮影しました。ここに向かうまでの参道には、樹齢数百年の杉並木に囲まれ、有名企業の慰霊碑(これが、各企業工夫を凝らしていてまるで広告塔のようで、見ていてなかなか楽しい)や個人、ひいては戦国時代や江戸時代の大名の墓石が所狭しと並んでいました。ちょっぴり、神聖な気分に浸ったのもつかの間、参道をたっぷり歩いたので、お腹も空きました。お昼は、目に付いたお店に入って、精進料理を頂きました。
休憩をはさんで向かったのは、金剛峯寺。山門は茅葺屋根で落ち着いた雰囲気。左右に水の張った桶が並べられているのが気になりました。山門をくぐると、目の前には立派な主殿が。この屋根の上にも、左右に桶が置かれていました。気になったので、調べてみたところ、これは天水桶というそうです。これは普段から雨水を溜めておき、火災が発生したときに、火の粉が飛んで屋根が燃えあがらないように桶の水をまいて湿らし、少しでも類焼を食い止める役割を果たすそう。もちろん現代は、防火設備が整ってきて、形だけになっているようですが。 そしてもう一つ、山門や主殿の屋根は茅葺ではなく、檜の皮を何枚も重ねた檜皮葺(ひわだぶき)になっているらしい。冬の積雪や寒さが厳しい高野山では、瓦を使うと割れてしまうので、寒さに強い素材で作られているというわけです。 さて、この金剛峰寺、外観はがっしりとした趣で質素ですが、中には華やかな襖絵が多数あり、見ごたえ充分です。国内最大級の石庭もあり、こちらも手入れが行き届いて非常に美しかったです。この庭園には、蟠龍庭(ばんりゅうてい)という名前が付いていて、雲海の中で向かって左に雄、向かって右に雌の一対の龍が向かい合い、奥殿を守っているように配置されているそうな。
そういわれれば、石の並びが竜の形に見えなくもない・・・。一番奥に位置する新別館では、お茶とお菓子がふるまわれ、畳に座ってしばし足を休めることが出来ます。
次は、宝物が展示されている霊宝館に立ち寄り、そのまま見所満載の壇上伽羅へ。ここには、金堂や東塔、西塔、、根本大塔をはじめとする諸堂が建立されています。中でも、高野山の写真といえば必ず出てくる、根本大塔↓は有名。この日は、晴天で真っ青な空に、鮮やかな朱色が映えてとってもきれいでした。当然、中にも入ったのですが、入り口の扉に、”鳥獣が侵入するため扉は閉めています”との張り紙があり、ちょっと笑った・・・。鳥はともかく、獣?中に入ると、清めのため両手に摺りこんで下さい、とお香が置かれている。こわごわ指先にとったものの、あんまりいい香りではない・・・。そして、次に仰天したのは、お賽銭箱とは別に供えられている小銭の数々。というのも、ほとんどは1円か5円、あるいは10円玉なのですが、それらがすべて立っているのです。堂内では一段高くなっ壇上に、仏像が鎮座しているのですが、その敷居の木目を利用して小銭を立ててありました。何故、誰が始めたのだろう。と思いつつ、私も10円玉を立てて帰ってきました。なんかイイ事あるといいけど。
順序がまるっきり出鱈目ですが、最後に大門に行って来ました。ここが、高野山の表玄関。巨大な阿吽の金剛力士像が、睨みを利かせていました。



















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