土曜日, 2月 27, 2010

ならまち散歩

本当に久しぶりに留学時代の友人から連絡をもらいました。去年の春頃からまたご飯でも行こうねって言ってたのに、伸び伸びになってたんです。旅行好き、以外は特に合致した趣味もないかと思っていたのですが、話しているとあれもこれもと行きたい場所ややりたいことが同じだったりして・・・。ジャマイカ旅行やパリ旅行をご一緒したり、かと思えば京都で寺社巡りや、歌舞伎に行ったりと、彼女とのお出かけは今さらながらバラエティ豊か。次は、文楽をなんて約束もしていたような気がしますが、とりあえずはご飯に出かけようということになりました。
お互いの交通の利便性と、私の強い希望もあって、今回は奈良で会うことにしました。奈良といえば、今年は”遷都1300年”で盛り上がっている観光地。奈良駅に着くと、早速そのメインキャラクターである、せんと君がお出迎えしてくれました。仏陀に鹿の角を付けたこのキャラクター、当初は物議を醸していましたが、今はもうすっかり受け入れられたのでしょうか?可愛いとは言い難いですが、「一緒に写真をとろうよ!」と書かれたフィギュアは人気でしたよ。
彼女との待ち合わせは昼下がり。小一時間ほど早めに着いたので、一人で行動を開始することにしました。奈良の世界遺産は、ほとんど周り尽くしましたが、春日大社だけが唯一残っていましたので、迷いなくそちらに向かいました。
春日大社は、ちょうど奈良に都が移された際に国の繁栄と国民の幸せを願って建立されたものなので、今訪れるのがいいタイミングかも。そもそも、春日大社に祀られている神様は、遠く鹿島神宮(茨城県にある)から運ばれてきたらしいです。
鹿島神宮では、鹿は神の使いとされており、神の分霊を運んでくる際にも白い鹿の背中に乗せて来たのだとか。その流れから、春日大社でも鹿は神使いとされ、奈良公園では手厚い保護を受けた野生の鹿が繁殖しています。春日大社の境内にも、たくさん鹿がいてお出迎えしてくれました。人に慣れていて、カメラを剥けても逃げるどころかしっかりポージング。
春日大社だけでなく、春日山原始林も合わせて世界遺産に登録されています。本殿に向かうには、その林の中に入っていくので、観光地とはいえ道路や喧騒から離れてとても静かです。せっかくなので拝観料を払って、本殿の近くまで入りました。二拝二拍手一拝でお参りした後、回廊をぶらぶらと歩きました。中門を望める位置に梅の木があり、風情があります。なんといっても、見ごたえがあるのは回廊の赤い柱とのコントラストが美しい、数え切れないほどのたくさんの灯篭。その多くは奉納されたもので、3000くらいあるそうです。毎年、節分とお盆の2回、これらの灯篭が一斉に灯されるそうです。きっときれいでしょうね。
そろそろ戻ろうかと思った時、ちょうど彼女から到着の連絡がありました。急ぎ足で駅まで戻って、合流。なんと、お着物姿での登場でした! 最近、和装に凝っていて一通りのものを揃えたそうです。彼女のご希望は、アンティーク着物を扱うお店などもある”ならまち”界隈の散策。東向通りから餅飯殿通りをぶらぶら歩き、ショッピング。浴衣くらいは何とかなりますが、自分で着付けが出来ないので、なかなか着物には手が出ないのですが、お値段が手頃で素敵なアンティークもたくさんあって着物デビューしたくなっちゃいます。いや、訪問着や色無地なと一式持っているので、むしろ活用するためにデビューした方がいいのかも。
歩き疲れたところで、お茶休憩に立ち寄りました。ちょうど、3月のお水取り(東大寺二月堂修二会) にちなんで、この時期だけ出回る、紅白の椿を模った和菓子とお抹茶を頂きました。中川政七商店、という奈良晒の老舗の店内にあるカフェです。先日行った、”幡”といい、奈良は麻製品が特産のようこのお店もモダンな麻製品がたくさん。麻だけでなく、手仕事の伝統的な和を取り入れたグッズがいろいろ並んでいます。決してお安くはないですが、手に触れたときに違いがわかる良さがあります。もうすぐ、また一つ歳をとってしまいますが、年を重ねて、そういう違いがだんだんわかるようになったのは嬉しいことなのかもしれません。
最近、日本の手仕事に惹かれるのはこの本の影響もあるのかもしれませんが、伝統の品こそお手頃な価格で日常使いして、広く残っていって欲しいなと思います。

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